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やめとけ!新聞奨学生になろうとした子を止めたはなし

新聞 生活

知人から、こんな相談を受けました。
「子供が新聞奨学生に申し込んだ!やめさせたい。なんとかならないかな?」

ラーテル
働きながらなんて感心じゃねーか!
ルートル
親に反対された学校に、自力でいこうと思ったみたいだよ

なぜ私に相談するのか?
私「新聞奨学生」だったんです

上から目線で「やめといた方が・・」と説得しても、本人の決心を強くさせるだけかも?
なので、実際に私が体験した体験談を話してみました。

元々は本人が決めたことです。
私の話を聞いて、本人が判断させれば納得感もある(はず)。

本音は「好きにやらせればいいじゃん」ですが、それはナイショ。

で、たんたんと体験談を聞かせました。
その結果、即決!やめる・・・
一件落着です。やったね。

新聞奨学生の制度

端的にいうと学費を借りて体で返す仕組みです。

次の特徴があります。

● 奨学金で学費を前借できる
● 奨学金は新聞配達ほかの労働で返済する
● 奨学金とは別に給料が支給される
● 朝夕の食事付き
● 住居費不要、水道光熱費がかからない

大手新聞社の名前で「〇〇新聞奨学生」として募集しています。
目にしている方も多いと思います。
大手新聞社なので、安心感を持ちますよね。

ラーテル
おっ?けっこう良さげじゃねーか
ルートル
資料でみるかぎりはそうなんだ

資料を取り寄せると、パンフレットには「奨学生の1日」のモデルケースが紹介されています。
だいたい一般人が想像する新聞配達と、まぁ違わないです。

進学に燃える若者にとっては、費用面の魅力とあいまって「キツそうだけど頑張ればいけそうだ!」と思うわけです。

で、実際にどうだったのか?
私の体験を紹介していこうと思います。

新聞奨学生はキツいの?

とにかくキツい ツラい

新聞奨学生をやってみようと思っている方。
他に方法が無いか考えてください。

配属される販売所ガチャが鬼すぎる・・・

私は、もう二度とごめんです。

新聞奨学生で経験したこと

新聞販売所への配属

地域や配属される新聞販売店しだいで、待遇に大きな差ができます。

アタリではパンフレットのモデルケースのような生活です。
しかし、ハズレでは超絶ブラック余裕で過労死の生活です。

私はもちろんハズレでした。

ラーテル
クジ運ないもんな(笑)
ルートル
・・・

ちなみに選択権はありません。
配属先は勝手に決められます。
(ざっくりした希望地域は聞かれたかも?)

ルートル
行き先も言われずワゴン車で連れていかれた

新聞販売所での業務

新聞販売所の業務は新聞配達だけではありません。
私の配属された販売所ではこんな業務でした。

● 朝刊、夕刊の配達
● チラシの折込
● 集金
● セールス(俗に「拡張」といわれます)
● お客のクレーム対応
● 自衛隊駐屯地での新聞販売
● 配達用のバイクの整備

バイクの整備は、エンジン以外はやった感じです。
ブレーキ交換、タイヤ交換、パンク修理、チェーン調整 etc.

ラーテル
バイクいじれんの?楽しそうだな おい!
ルートル
修理だけだよ
ルートル
バイクは台数が多くて大変だった

業務のタイムテーブル

1日のタイムテーブルを表にしてみました。

タイムテーブルは平日の活動です。
日曜日は夕刊の配達がなく、空いた時間はガッツリ集金とセールスが課せられます

1:30 起床。アパートを出て販売所へ向かう。
2:00 朝刊到着。配達の準備。
2:20 ひたすら配達。
全国紙最弱の毎〇新聞だったので、配達部数が少なく家と家の間隔がクソ広い。
一軒いれて次までフルスロットル。時間ばっかりかかる。
6:45 販売所に帰還。朝食を食べて対面販売の準備。
7:15 自衛隊の駐屯地で新聞の対面販売。
7:45 販売所に期間。朝刊不着のクレーム対応。
9:00 アパートへ戻る。仮眠。
11:00 チラシの折込作業。昼食。(夕刊にチラシを入れていた)
13:30 夕刊到着。配達の準備。
13:50 ひたすら配達。
17:00 販売所に帰還。夕食を食べて朝刊の準備。
18:00 集金&セールス。一回りして販売所に帰還。
20:00 アパートへ戻る。

おまえ学校いってねーじゃん。

学校なんて無理よ無理無理。
初めの頃は、がんばって通学したんです。
でも・・・続きません。

眠くて授業に身が入らないし、夕刊配達のため午後の授業出てられないのです。

ラーテル
本末転倒・・・だな
ルートル
・・・だね

休日(なんて・・・ない!!)

えー、さっきのタイムテーブルが、1年365日のうち364日続きます。

364日ですよ!!

「休刊日あるんじゃないの?」と思われるでしょう。
休刊日は朝刊の配達はお休みです。
しかし、夕刊の配達があるので完全な休日にはなりません。

ラーテル
休刊日って、新聞屋の休みの日じゃねぇのか
ルートル
それが世間の認識だと思うけど、実体は違うんだ

完全休日は一年で一日だけ1月2日、ただ一日だけ。

リアル地獄

ラーテル
ホントに日本のはなしか?

お給料とか

こんだけやって、給料は一ヶ月2万円也。
学費を借金しているので、その返済をしていると言われてました。
明細は無し。

食事代や住居費がかからないので、お小遣い程でも暮らせました。
今さら思うと、住居費とかは天引きされていたのでしょう。
アパートの選択はできなかったので、高かったのか安かったのか不明。

労働基準監督署にタレこむべき案件ですね。
当時はそんなこと発想もしませんでした。

無知は罪

ルートル
でも、お金つかう暇がなくて、ちょっと貯金できた

嫌だったこと:セールス(拡張)

セールスにノルマがあったのがキツかったです。

いちおう、契約があがると1,000円ほど臨時収入があります。
しかし、読み慣れている新聞を他紙にかえる人なんてまずいない。
そのうえ、全国紙最弱のブランド力では無理。
学生ごときのセールスでは圧倒的に無理です。

引越しがあると、やむおうえず飛び込みでセールスします。
99.9%が「いりません!!!」で門前払いですね。
0.1%が「クソ忙しいくぁwせdrftgyふじこlpくぁwせdrftgyふじこlp」キチ○イにエンカウント。

心がバッキバキに折れます(笑)
「なんか、俺悪いことしてるのかな?・・・」って。

苦肉の策で、長いこと購読して頂いているお客様にあえて延長契約をお願いしていました。
これで、ノルマをなんとかクリアしていました。

販売所の所長から「とり易いところばっかだな」と嫌味いわれましたが。

ラーテル
新聞のセールス、超ウザイ
ルートル
ごもっともです

嫌だったこと:事故

過酷な労働環境なのでどんどん疲弊してくるんです。
そんな状態でバイクを運転するので、よく事故にあいます
私は4度ですね。

不幸中の幸いで、加害者になることはありませんでした。

夕刊の配達中に自爆事故をおこしたんです。
どうも、瞬間寝ていたっぽい。
駐車していた乗用車に激突したんですが、気が付いたのはぶつかった後。

足を7針縫ったんですが、病院から戻ると私の配達区域がまるまる残ってました。
マジに泣きながら、片足でピョンピョン配達した。

翌日の朝刊以降、配達量は事故前と変わらず。
もうどうにでもなれ!って自暴自棄で配達こなしました。

そのせいか、抜糸するときに医者から「傷が汚い」って怒られました。
ケロイドみたいになってます。

ラーテル
ガクガク ブルブル
ラーテル
マジに日本でのことなのか!?
ルートル
残念ながら日本でのことだよ

振り返って思うこと

新聞奨学生のパンフレットに書いてあることはウソではないが、保障されたものではないことです。

なぜなら雇用契約は配属された新聞販売所とおこなうから
大手新聞社は介在しますが責任は持ちません

新聞販売所は、独立した法人です。
労働環境や待遇はちがってきます。

ラーテル
待遇がましなところもあるってことか
ルートル
都内は恵まれているみたいだよ

私のいた販売所では、ノルマ付きセールス自衛隊駐屯地での新聞販売がありました。
こんなのは、新聞奨学生のパンフレットにない業務です。

パンフレットと違うことや授業時間のこと、販売所の所長に話したことがありました。
所長曰く「おまいらを学校に通わせるつもりはねぇ」と宣言されましたんですよ。
パワハラの酷い所長でしたが、これはショックでしたね。

ラーテル
怒!!!
ルートル
このとき、唾を吐きかけられたのもショック

新聞奨学生の相談窓口が、新聞奨学会というところにありました。
相談窓口に相談してみたんですが、なーんにもしてくれません

ラーテル
つかえねーな!!

いまならば戦える!!
でも、当時はウブでカッペな青年でした。
結局、泣き寝入りで終わりです。

新聞奨学生は新聞販売所にとって、単なる労働力です。
いいように使われるだけだと思います。
たまにニュースになる外国人研修生みたいな扱いですね。

結局新聞奨学生をやめた

結局のところ新聞奨学生をやめました。
同時に学校も中退しました。
トータルで2年いたことになります。

やめる直前はパートのシフト調整もやるような、もはや専業さん状態でした。

ルートル
すごいガンバっていたと思う

パートのシフトで、所長と衝突したことでやめました。

シフトをうまく組んで、みんなが休める時間をひねりだしたかったんですが・・・。

所長は「そんなに休みたいならもう出てくんな!」と激怒。

頭にきた!!翌日の朝刊配達をボイコットしました。

翌日は、結構な土砂降りだったです。
配達が心配で、結局、午前4時ごろ販売所に出て配達しました。
(現在の社畜根性は、このころからだな~)
この日が最後の配達になりました。

ラーテル
ボイコット、よくやった!!!
ルートル
同僚が苦労していると思って、結局配達したけどね

ここにいてはダメになると思い続けていたので、いい機会だったと思います。

当時はミニマリストみたいな生活だったので、荷造りは半日で終わり。
翌日には引き払って実家へ戻りました。

2年ぶりの実家だったんですが、犬が覚えていてくれて感激しました

ラーテル
忠犬 泣ける

最後に

この経験で、新聞は信用ならんと思うようになりました。
過労死の記事見ると「おまいらの足元にゴロゴロしてるだろうがっっ!!」って思いますよ。

いわゆる”押し紙”もひどかった。隣町の販売所は”押し紙”用の倉庫まで借りてました。
資源の無駄です。

自身の業界は批判できないくせに「社会の木鐸」とかって頭わいてんのか。

とりあえず、毎〇新聞のクソが!!!滅びろ!!!

ラーテル
じゃーな!!
ルートル
またね♪

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↑(´・ω・`)人(´・ω・`)ナカーマ

コメント

  1.   より:

    18年前、私も新聞奨学生をしていたのですが、当時の私の感想はまったく違いました。
    自分にとっては気楽でお得な制度でしたね。

    学校では新聞奨学生を集めたクラスに居たのですが、クラスメイトと話していると新聞社選びと販売所運がもっとも明暗を分ける差になっていました。

    私はN経の奨学生だったのですが、N経は2年以上勤めれば奨学金返済は不要でした。A社やY社、M社の奨学生は集金や拡張もさせられていたそうですが、N経は配達と折込み以外の業務はまったくありませんでした。所属の販売所によっては拡張でボーナス的なシステムをとっているところもあったようなので、所長の方針によるものなのかもしれません。またA社、Y社は折込みチラシの量が多く一部が分厚いので「ヤンジャン配ってる」と奨学生たちが自嘲的に揶揄していたものですが、N経は薄々でした。年一回の決算期のみヤンジャンでしたけど年1日だけです。積載重量が部数の割りに軽いです。途中で積み替え補充とかは不要でした。

    年間約94万円の奨学金は返済不要、住み込みだったので家賃光熱費はかからず、多くは無いですが給料も12万円ほど貰える。自給換算で950~1000円程度でしょうか。奨学金も所得に換算すれば年収約240万円相当です。

    朝刊約300部、夕刊約200部を配っていましたが自分にとっては朝夕それぞれ2~3時間の配達だけでこれだけ貰いながら学校に通えたので、お小遣い7万円ほどのちょっとリッチな学生生活でした。自分の販売所の先輩には「楽だから」と奨学生の出戻りしている人も居ましたw

  2. loutre より:

    コメントありがとうございます。遅くなってごめんなさい・・

    N経でしたか~ 当時もN経はイイ!という話を聞きました。
    もう手遅れでしたが。
    A社Y社の「ヤンジャン配ってる」は、確かにそんな感じでした!
    Y社の配達員曰く、積みすぎでカブのフレームがグニャグニャしたそうです。
    弱小M社は、A社Y社に比べて配達量3分の1で、配達区域が倍の広さって感じでした。
    ヤンジャンになるのは、年に一回お正月だけ。

    私と同時期に5人が周辺販売所に配属されました。(私と1人は同じ販売所)
    同期のような感じで連絡とりあっていたんですが、1年後生き残ったのは私だけ。
    今でも覚えているのは、雪のない地域でしたが珍しく1cmほど積もった日に、同期が失踪したことです。
    ヤマハメイトに朝刊積み込んだまま、本人だけが居なくなりました。
    雪の中を配達することを考えて、心が折れちゃったんだろうな・・・
    私は雪ん子だったので、雪はノーダメージでした。

    新聞奨学生の経験が人生の糧になっているのか不明ですが、折り込みチラシのおかげで紙の扱いが上手くなりました。
    印刷物まとめなど超速いので驚かれますww

  3. しげ より:

    私は平成3年~4年に新聞奨学生をやっていました。(主さんと同じ〇日でしたw)
    集金なし。私の場合は拡張はありませんでした。朝夕刊配達でした。
    1日の流れとしてチラシ入れ、順路組み(自分がいた営業所は〇日以外にも日経・産経・東京・C日報・スポニチ・サンスポ・デイリー・中日・農業・工業)を順路に並べるという作業がありました。最初は順路帳を見ながらでしたけど、最後のほうはすべて頭に入ってましたね。で配ってる最中にどこか抜かすと「え?この家に〇日が来てるってことはどこかで間違えた?」と戻ったりしてました。

    当時はビニール入れ機はありませんでしたのでポストに入れるときにビニールに入れるという作業でしたね。

    2年にまたがって奨学生をやった感想としては
    1.夜学行く人にはお勧め
    2.奨学金という名の借金背負うよりまし
    3.世の中の底辺を見られて、多少のことはマシに思える
    4.配達だけにしておけ、集金業務は辞めとけ
    5.拡張有りの店に行くな 勉強する時間が無くなる

    • loutre より:

      しげ様、コメントありがとうございます!
      返信が超遅くなってしまい、ほんとうにごめんなさいぃぃぃぃ
      しげ様も毎〇でしたか!!
      うちの販売所よりも品数が多いですね。
      私のいた販売所では毎〇・スポニチ・建通だけでした。なんでも地元紙と揉めて取り扱いできなくなったそうで・・・ドル箱なのに!
      日経は朝日、産経は読売の販売所が扱っていて、うらやましかった思い出。
      集金、拡張が無いとは毎〇でも良い販売所があるもんですね。
      > 3.世の中の底辺を見られて、多少のことはマシに思える
      わかりみすぎる~

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